こんにちは。Halcana(@halcana21)です。
今回はカラーコーディネーター検定スタンダードクラスの範囲から、色温度を解説します。
正直、初めてこの言葉を学んだ時は「?????」って感じだったので、下記テキスト・サイトで調べたことをまとめています。もっと知りたい方は下記リンクからチェックしてください!
参考:
『スピード合格!カラーコーディネーター【スタンダードクラス】テキスト&問題集』
垣田玲子・著(2020) 株式会社ナツメ社
KONICA MINOLTA 計測機器「楽しく学べる知恵袋」ひかり豆辞典 色温度とは
https://www.konicaminolta.jp/instruments/knowledge/light_bulb/color_temperature/index.html
GENTOS ブログ 色温度とは
https://www.gentos.jp/blog/%E8%89%B2%E6%B8%A9%E5%BA%A6%E3%81%A8%E3%81%AF/
進研ゼミ高校講座 高校生の苦手解決Q&A 【熱とエネルギー】セルシウス温度と絶対温度ってなんですか?
https://kou.benesse.co.jp/nigate/science/a13p07bb01.html
色温度とは?
色温度の定義
色温度とは、光の色を表す指標です。
色温度は絶対温度を表すK(ケルビン)という記号で表され、色温度が低い(3300K以下)だと赤みがかった光色に、色温度が高い(5300K以上)だと青みがかった光色になります。
ポイントは、色「温度」という名前ではありますが、熱さや冷たさを表しているわけではなく、あくまで色のみを表すということです。
色と温度の関係:プランクの法則
どうして赤や青といった色が、温度の単位によって表されるのでしょうか?そもそもなぜ赤みがかった光色が色温度が低くて、青みがかった光色が色温度が高いと決められたのか?
これは、プランクの法則という色と温度の関係を明確にした法則が関係しています。
いつもの通り、くまさんに解説してもらいましょう。
ケルビン(K)と絶対温度については後半で解説するので、今は「色温度の単位はKなんだな〜」くらいの認識で大丈夫です。

色温度って色を表してるんだよね?なんで色なのに「温度」って名前がついてるの?
それは、温度と色には相関関係があるからなんだ。19世紀にドイツのプランクという研究者がその法則を発見したんだよ。


へー。どんな法則?
簡単に言うと、全ての光を吸収する「黒体」という架空の物質を熱した時に、温度が上がるにつれて物体の色が赤→黄→白→青白と変化していくという法則だよ。


そんなんじゃわからないよ。もっと簡単に説明してよ。
(厳しいな…)まず、「黒体」っていうのは要は真っ黒な物体ってこと。現実には全ての光を吸収する(=光を全く反射しない、反射率0%)物質は存在しないから、架空の物質なんだよ。

ちなみに、世界一黒い「ベンタブラック®」(Surrey NanoSystems社製)という塗料は反射率0.2%なんだ。黒すぎてびっくりするから調べてみてね。


ふーん。それを熱すると色が変わるの?
「黒体」もそうだし、どんな物質でも熱すると色が変わるんだよ。たとえば、BBQで炭を使ったことない?


上の写真を見てみると、赤いところと黄色いところがあるよね。これは、温度が違うから色も違うんだ。黄色い部分は赤い部分より温度が高いんだよ。


あ、確かにもともとの黒(グレー)→赤→黄色の順で外側から色が変わっているね。もちろん外側よりは中央の方が熱いはずだよね。火に近いわけだし。
そうでしょ?もう一つ例を見てみようか。


ガスコンロの火を見てみると、バーナー部分の近くは青、真ん中は白っぽくて、上に行くに従って赤になっているでしょ?火元に近い部分は温度が高いから青いんだよ。


あー、確かに!そういえば小学校の時ガスバーナーの炎の色とか覚えさせられたわ!青い炎は温度が高い、とか言われた気がする!
そうそう!この色と温度の関係を法則にまとめたのがプランクって人なんだ。このプランクの法則をもとに、光色を絶対温度の単位K(ケルビン)で表したのが色温度なんだよ。たとえば、「黒体」が温度2000Kの時は赤っぽい色をしているから、それに対応させてその赤っぽい光色を色温度2000Kと呼ぶ、ってことなんだ。

ただ、あくまで色温度は色のみを表しているから、色温度2000Kの光が本当に2000Kの熱さってわけではないんだ。


なるほどね。(そもそもそのケルビンってのがよくわからないけど… 温度2000Kって何?)
また新たな謎が出てきましたね^^;
ケルビンの解説に移る前に、ここまでのお話をまとめてみましょう。
- プランクの法則:物体(黒体)を加熱すると赤→黄→白→青白と色が変化する
- 色温度は、温度の単位K(ケルビン)で色を表している
- 色温度2000K=黒体が温度2000Kの時の色を表す
では、ケルビンとは何か、2000Kとは何か、会話の続きを見てみましょう。
ケルビン(K)と絶対温度
先ほど、くまさんが例として「『黒体』が温度2000Kの時は赤っぽい色をしている」と言っていましたね。そもそも「温度2000K」というのがイマイチ想像しにくいですよね。
またくまさんに解説してもらいましょう。

さっき、「『黒体』が温度2000Kの時は赤っぽい色をしている」って言ってたのが意味がわからなかったんだけど。

そもそも温度2000Kって何?温度を表すんなら「℃」じゃない?
温度を表す単位には種類があるんだよ。僕たちがよく使うのは「℃」だね。これはセルシウス温度といって、(1気圧のもとで)氷が溶ける温度を0℃、水が沸騰する温度を100℃と定めた温度なんだ。


だから妙にキリのいい温度で氷が溶けたり水が沸騰したりしていたのか…
一方、絶対温度というものもあって、これは単位K(ケルビン)で表すんだ。絶対温度の0度は「絶対零度」っていうんだよ。聞いたことない?


ポケモンの技にあるよね。どういう意味なの?
簡単に言うと、最低の温度のこと。もうこれ以上低い温度はないっていう意味で、僕たちに馴染みのあるセルシウス温度で表すと「約-273℃」なんだ。


つまり、0K(ゼロケルビン) = -273℃なんだね。
そういうこと。ちなみに、絶対温度〔K〕をセルシウス温度〔℃〕にしたい時は、絶対温度〔K〕から273を引くといいよ。


あ、じゃあさっき言ってた「『黒体』が温度2000Kの時は赤っぽい色をしている」っていうのは、「『黒体』が1727℃の時は赤っぽい色をしている」ってことか!めっちゃ熱いじゃん!
そうだね。でも、同じ単位を使っていても温度のKと色温度のKは全く違うんだよ。温度のKは熱さの単位だからセルシウス温度〔℃〕に直せるけど、色温度は直せないんだ。

何度も言っているけど、色温度が2000Kだとしても、本当に2000K(=1727℃)あるわけではないんだよ。色温度はあくまで色の指標だから…

だから、もっと正確にいうと、「色温度2000Kは、『黒体』が1727℃の時の色を表している。だから色温度2000Kの物体は、温度が1727℃なわけではない」んだ。

ケルビンについても分かりましたか?ここまでの話をまとめてみましょう。
- 温度の表し方には種類がある。普段使っているのはセルシウス温度〔℃〕。
- ケルビン(K)は絶対温度の単位。
- 絶対温度〔K〕の0度は約-273℃。これを絶対零度という。
- 2000Kとか4000Kなどの数字は温度を表す。分かりにくければ273を引いてセルシウス温度〔℃〕に直せば想像しやすいかも。
- 温度のKと色温度のKをごっちゃにしないこと。色温度が表すのは色のみ。
色温度と対応する光
最後に、さまざまな自然光・人工光源はどの程度の色温度なのかを以下の表にまとめました。
色温度(K) | 自然光 | 人工光源 |
12000 | 快晴の北空 | |
7000 | 曇天 | |
5000 | 午前9時・午後3時 | 昼白色光源(白っぽい) |
3000 | 日の出40分後・日没40分前 | 電球色光源(赤〜黄色っぽい) |
ちなみに、色温度が低い(3300K以下)だと赤みがかった光色に、色温度が高い(5300K以上)だと青みがかった光色になります。
ところで、色温度3000Kの電球色光源を見てみましょう。電球の色温度は3000Kですが、電球自体は温度3000Kでしょうか?

3000から273を引くと、2727。つまり2727℃…
おうちで使う電球が、そんな温度になると思う?


大火事になっちゃうわ笑

やっぱり色温度と実際の温度は関係ないんだね!
おわりに
最後に、今回の内容をもう一度おさらいしましょう。
- 色温度とは、光の色を表す指標である。単位はK(ケルビン)
- プランクの法則とは、全ての光を吸収する「黒体」という架空の物質を熱した時に、温度が上がるにつれて物体の色が赤→黄→白→青白と変化していくという法則
- 色温度2000Kは、(大まかにいえば)黒体が2000Kの時の色を表す。ただし実際の温度は関係ない。
少しでも色温度とは何かがクリアになっていれば幸いです。それにしても20代半ばにして進研ゼミにお世話になるとは思わなかった…笑
色温度についてはわかったけど、PCCSとかマンセル表色系とかもわからないよ〜という方はこちらも読んでみてください!
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